リコの興味しんしん

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各々の興味・関心事などに関する雑学を書いていきます。

のびのびTRPGスチームパンクのソロプレイをやってみた!2回目!!

この短編小説は、「のびのびTRPGスチームパンク」のソロプレイを基に素人が作成しています。
そのため、トンデモ展開、投げっぱなし、伏線未回収などがあります。
また、誤字脱字・表現力不足・矛盾、カードの説明と違うなどもあります。
ご了承ください。

のびのびTRPGソロ:ここはどこ?

箱外観

冒険譚で有名な冒険家の柊由夏。
彼女は、新天地へ向かうために乗った大型蒸気機関客船「白桜号」で起こった殺人事件の捜査に有名な冒険家であることから協力することになった。

1:着水

「こんな事件が起こってしまったのですが、まだ航海中で次の港である目的地までまだしばらくかかり、警察の協力を求めるのも難しい状況です。ですので、著名な冒険家である柊様にご協力いただけないでしょうか?」
と、白髭を蓄えた白桜号の船長は、不安げな面持ちで柊に頼み込む。
「そうだな…私は冒険家であって警察ではない。協力するのは良いが、期待に応えられない場合もあることを理解しておいてほしい」
「はい。わかっております。問題ありませんので、よろしくお願いします」安心した顔に戻る船長。
「ああ」とVIP室の部屋の椅子に首を切り裂かれ上を向いて座った状態の男性に向かい、柊が一歩進み出た瞬間・・・

ゴオオオォォォンッ

という低く重い音と共に、何かに捕まらなければ立っていられないほどの強い衝撃が白桜号を襲った。
「うおっ」と声と共に柊含め、その場に居合わせた船長、船員は、壁や床に倒れ込む。

その時、ウイーーン、ウイーーンという、高くけたたましい音…警告音が響き渡る。

「お客様の安全確認を急げ!」船長は船員に命じ、「柊様、申し訳ありませんが、私は状況把握するため、操舵室に向かいます」
「失礼」の言葉を言い残すや否や船員と船長は駆け足で部屋を後にする。
1人残された柊も船に何が起こっているのか気になったが、現場保存のため部屋の窓を開けることができないため、一旦、部屋を離れ外通路に出た。
通路に出ると、船の様子が気になったであろう人が、同じ階層のみならず、階下の外通路にも多く集まっていた。
また、それは外通路だけでなく、部屋のバルコニーにも多くいた。
おそらく柊がいる側とは、反対側も同様に人が集まっていることだろう。
外はすっかり暗くなり、夜になっていた。そのため、見通しが良くなかった。
そんな状態にも関わらず、多くの人は状況を知りたかったため、集まったのだ。
すると・・・

ゴオオオォォォンッという轟音と共に再び強い衝撃が白桜号を襲う。
バランスを崩し、こけそうになったため、急ぎ外通路にある手すりを掴んだ柊。

刹那

「うわ~~~~っ」という悲鳴が聞こえ、咄嗟にその方向を見ると人が海に落ちていくところだった。
それは非常にゆっくりとした映像だった。
落ちていく人が小さくなり、まるでブラックホールに飲み込まれるかのように暗い水面に飲み込まれる様子が、その人の表情が、動きが、鮮明に見えた。
あまりにもゆっくりな時間の流れだったため、数秒の出来事が体感的には数分の事のように感じられた。
「人が落ちたぞっ」という声がいたるところであがる。
どうやら柊が見た人の他にも海に落ちた人がいるようだ。
「何が起きているんだ」という怒号や、人が海に落ちたところを目の当たりにしたことによる悲鳴が辺りを包み、白桜号は快適な船旅を提供する船から悲壮感漂う船へと変貌していた。
そんな中、喧騒を切り裂くようにアナウンスが鳴り響く。
「白桜号船長のダン・フロンです。お客様にお知らせいたします。現在、白桜号は岩礁地帯に侵入しました。先ほどからの揺れも衝突によるものです。ですが、安心してください。白桜号は通常の蒸気船の数倍の装甲を備えていますので、揺れは強いですが船に穴が開くということはありえません。ですので、安心してください」
船長は続ける。
「ですが、まだ岩礁地帯を抜けたわけではありません。可能な限り安全なルートを取る予定ですが、強い衝撃が再び起きる可能性があります。ですので、現在、外におられるお客様は、速やかに自室にお戻りいただくか、近くの部屋に入り、岩礁地帯を抜けるまで極力動かずにお過ごしください。よろしくお願いいたします」
船長自らのアナウンスにより、悲壮感に支配されていた空間がが和らいだ。だが、それもつかの間…次の瞬間には人が海に落ちたという声が上がり出す。
その反応が分かっていたかのように船長はそれに答える「何人かのお客様が落水されたことは把握しております。私共としてもすぐに救助に向かいたいところですが、岩礁地帯にいるため思うように身動きが取れないこと、夜であるため視界が確保できないことから、一旦、岩礁地帯を抜け夜が明け次第、救助をしたいと考えております。ですので、お客様は速やかに自室に戻られるようお願い申し上げます」
船長のアナウンスに、バルコニーに出ていた乗客は自室へ、外通路にいた乗客は自室に戻るため動き始めた。
それは、柊も同様だ。
自室に戻ろうとした柊だが、通路がいっぱいだったため、もう一度、手すりを掴もうとしたその時だった
ゴオオオォォォンッという音と共に船体が大きく揺れた。
その揺れにより柊はバランスを崩し、大きく船の外に投げ出された。
乗客の顔がよく分かるほどゆっくりと視界が流れるが、柊に取れる手立てはない。
柊ができたことは、海面との衝突による衝撃を極力抑えるため、体勢を変えることだけだった。
「また人が落ちたぞっ」
という声が響く中、暗い海へ着水した。

2:覚醒

「お嬢さん、大丈夫かい」声が聞こえる。
その声に導かれるように柊は目を覚ます。そして、「あ、ああ。大丈夫だ」ゆっくりと上体を起こし、答える。
「どこも痛くないのかい?」との問いに腕や脚、指などを動かし「大丈夫なようだ。ありがとう」と声の方を向き答える柊。
そこに立っていたのは、初老の男性だった。
それは良かったと男性の差し出す手を掴み、柊は立ち上がる。
「お嬢さんも白桜号に乗っていたのかい?」
「ああ。『も』ということは…」柊の言葉を遮る形で男性はそうだよと続ける「僕達みんな、白桜号に乗っていたが海に落ちたみたいだ」と、自分の後ろへ視線を誘導するように手を広げる。
そこには、他に数人…白桜号に乗っていた人が立っていたり、座っていたり、ウロウロしていたりしている。
その面持ちは、みな一様に不安げだ。
タイミングを見計らい男性は現状を伝える「お嬢さんがまだ気を失っていいる間に、みんなで手分けして周囲を散策してみたんだが、どうやらここは無人島の可能性が高いみたいだ」
なるほどと相槌を打つも表情を変えない柊に続ける「で、キャンプ地として良さそうな場所を見つけたんだが、そこに行ってキャンプというと聞こえは良いがサバイバルの準備を整えようかと考えているんだが、どうかな?」
素晴らしいと柊は言いつつも、男性に気になった疑問を投げかける「ずいぶんと段取り運びが上手くいっているが、この中に冒険家やサバイバル経験者でもいるのか?」
「いや、いないと思うよ。状況的に一時みんな混乱しそうになったけど、なんとか落ち着きを取り戻し、話し合って現状にいたったというだけだよ」
そうかとだけ答えるがまだ訝しんでいる柊を気にもとめず男性は、「では、向かいましょう」と伝えた。

3:準備

「ここがキャンプ予定地です」と先ほどの男性がみなに大きな声で伝える。
そこは日当たりが良く、河が目の前を流れ、その反対側は崖で背後を心配する必要がない…河と崖に挟まれた場所だった。
それを見た柊は、異論を唱えた。
「ここは止めた方が良い」どうしてだという表情の一行に「まず日当たりが良すぎる。晴れの日には良いが、雨となった場合は途端に最悪の場所となる。雨は体力を奪うからな。それに豪雨となった場合は氾濫の危険もある」
押し黙る一行に、柊はさらに続ける。
「また、崖の傍も危険だ。崖崩れが起きかねない。何かあれば大惨事だ」
「しかし、救助まで過ごすのであれば快適な方が…うおっ」
この場所の正当性を訴えようとする男性の手を柊は引き寄せた。
その瞬間、今まで男性が立っていた場所に拳大の石が落ちてきた。
「・・・あ、ありがとう」
「ああ」と短く答える柊に「では、どこが良いのでしょう?」と意見を改めた男性が尋ねる。
「可能なら、河からそれほど遠くない場所で、雨風を凌げる小さな洞窟や洞穴が望ましい」
「それなら良い場所がありますよ」と男性の後ろにいた初老の女性が声を上げた。

「先ほどみんなで散策に出かけた際に見つけたのが、ここです」
女性を先頭に河から少し離れ、少し坂を登ったところに、ぽっかりと口を開けた洞窟があった。
洞窟の奥は暗くなっていて、先がどのくらい続いているかは入口からではわからない。
「なるほど。良さそうだ」暗い洞窟の奥を眺めながら柊は続けた「奥はどのくらい続いていた?」
「正直、わかりません」と首を振り「光が届く範囲まで確認したところ、何もありませんでした」続けた。
「そうか」腕を組み空を一瞥した柊は「もうすぐ日が暮れる。入口付近を見た限り動物の出入りがあるような痕跡はないみたいだから、今日のところはここでキャンプしよう。そして、明日、奥を探索し安全性を確認する」
異論はないかと続け、みなを見回し口を開く者がいないのを確認すると「では、手分けして食料…果物が望ましいが贅沢は言えない…よって、水が欲しくならない食料を探す者と、枯れ枝と枯葉を探す者にそれぞれ分かれて、それらを探してほしい。私は食料を探す。くれぐれも日没に注意してくれ。では、解散」

洞窟は、焚き火が揺らめく仄かな光と、パチパチという枯れ枝に残った微量の水分が気化し木から開放される小気味いい音に支配されていた。
みな一言も話すことなく俯き、採ってきた果物を黙々とほおばっていた。
焚火の揺らめく炎と爆ぜる音が支配する空間を、気を失ったていた柊を覚醒させた初老の男性が打ち破った。
「果物が見つかって良かったですね」と柊に声をかけたが、当の柊は「ああ」と素っ気なく答えるだけだった。
「つかぬことを伺いますが、真紅の冒険家として有名な柊さんではありませんか?」との問いに柊は再び「ああ」と簡潔に答えた。
焚き火を囲む一行の間でざわめきが起きる。
「やはりそうでしたか!その髪の色、サバイバルの手際の良さからもしやと思ったのです。いや~そうですか。いつも冒険譚、読んでいます」と柊の手をとり、ブンブンと振る。
その度に柊の腕、肩、そして、上体が波打つように順に揺れる。
「離してくれないか?」との柊の言葉に「あっ。失礼しました。嬉しかったもので…。」と照れ笑いを浮かべる。
「あっ、そうでした。自己紹介がまだでしたね。私は株式会社ノースの代表取締役社長を務める北山と申します」と手を差し出す初老の男…北山。
その手を握り「冒険家の柊だ」握手する。
「こんな場所で、こんな時に話す内容ではないと思いますが、これまでのご経験・先ほどの件から弊社で柊様の冒険のサポートをさせていただきたいのですが…」との申し出に柊は「それはありがたい。御社の商品はいつも使わせてもらっている。よろしく頼む」快諾する。
「そうですか!こちらとしても嬉しいです。あの真紅の冒険者…柊さんのサポートをさせていただけるのですから。資金面もお任せください」と笑顔を浮かべる北山。
「助かる。冒険するにも金が必要だからな。そのための資金源として、冒険譚を出版している」との言葉に北山は「待ってください。出版は続けてください。柊様の知名度にもかかわりますし、何より私が読みたいんです」照れ笑いを浮かべる北山に「大丈夫だ。後世に記録を残すというのは冒険家…いや、人間の務めだ」
良かったと安堵する北山は「よろしくお願いします…と言いたいですが、すべては無事に帰ってからですね」と付け加え、苦笑いを浮かべた。
「ああ、そうだな」と柊の対応はやはり素っ気ないものだった。

環境が激変し不安からよく眠れなかった者、気にもとめず寝た者、気にはなるが散策のために寝た者など色々だが、そんな者たちの意思など関係なく陽は上った。
柊はみなの前に立ち、話し出した。
「では、これから洞窟の奥を探索し、ここの安全性の確認しようと思うのだが、その前に昨日から私がリーダーの様な振る舞い・指示をしているが、反対はないだろうか。あるなら言ってほしい」
沈黙が流れたが、北山が口を開き「みんな問題ないと考えていると思います。なぜなら、指示も的確ですし、柊さんが冒険家だとみんな知っているはずですから」
その言葉を聞き柊は再度、みなを見回すと頷く者や無言な者が多くいた。
「わかった。では、このまま私がリーダーとなる。よろしく頼む」と柊が言うと、一同から拍手が起こる。
その拍手を制し柊は「では、これから洞窟の奥を探索し、ここの安全性を確認する。だが、救助までの食料・薪・寝床など、やるべきことはたくさんある。そこで洞窟班と生活班に分かれて行動する。洞窟班のリーダーは私が、生活班のリーダーは…」と見回し一人の女性…この洞窟を発見した初老の女性に「名前は?」と尋ねた。
一瞬、驚いた様子を見せたが「桑原です」と答えた。
それに頷き柊は口を開く「よし。では、生活班のリーダーは桑原とする。では、振り分け完了次第、洞窟班・生活班とも活動を開始する。以上」

「では、行こうか」柊を先頭に洞窟班…主に男性数人…は、洞窟の奥に向かい歩みを進めた。
その後、一行の姿は、洞窟の奥…暗闇へ飲み込まれて行った。
それを見送った桑原をリーダーとした生活班も活動を開始した。

洞窟班一行は、松明を片手に起伏のある道を少しずつ進んでいる。
柊の後ろを歩いていた北山は柊が通ったルートをたどり自分の肩くらいまであった岩山を乗り越え「奥に進んでしばらく経ちましたが、起伏はあるものの今のところ何の問題も無いですね」と柊に向け口を開いた。
その柊はというと、ちょうど次の岩山を登り始めたところだった。
「そうだな」と短く返答し、岩山の頂上に手をかけ足場を一つ上げ、体を引き上げた。

刹那

柊は岩山から出ていた頭を下げ、後ろについてきている一行を手で制し、「火を消せ」と小声で言う。
その指示に従い松明の火を消し、一行は緊張した面持ちで柊の動向を見やる。
柊は岩山の上に少し顔を出し、様子を伺う。
しばらく様子見していた柊は、手で合図し「行くぞ」と言うや否や岩山を素早く乗り越えていった。
その姿を見送った北山らは、互いに顔を見合わせ、不安げな表情で北山を先頭に暗闇の中、手探りで岩山を登り始めた。
北山が岩山の頂上に手をかけ足場を確認し、自分を落ち着けるように深呼吸し、意を決し体を引き上げ、岩山の向こう側を覗くとそこに広がっていたのは……

のびのびTRPGソロプレイ:次回予告

捜査協力する船から落ち無人島でサバイバルをすることになる柊。
洞窟探索するも、そこで見たものとは…

次回「どうして?」でお会いしましょう!