リコの興味しんしん

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各々の興味・関心事などに関する雑学を書いていきます。

のびのびTRPGスチームパンクのソロプレイをやってみた!4回目!!

この短編小説は、「のびのびTRPGスチームパンク」のソロプレイを基に素人が作成しています。
そのため、トンデモ展開、投げっぱなし、伏線未回収などがあります。
また、誤字脱字・表現力不足・矛盾、カードの説明と違うなどもあります。
ご了承ください。

のびのびTRPGソロ:マヂで?

箱外観
船の中で起こった殺人事件に協力をすることになった冒険家の柊だが、船から落ち無人島に流れ着いた。そこにあった怪しい洞窟を探索中、自動人形に襲われるもこれを撃退したのだが……

1吐露

「いや~、でも本当にすごいですよね。初めて見た敵に果敢に挑むだけじゃなく、倒してしまうんだから。しかも、銃から光の線が放たれるタイミングがわからないのに、光の線が出る瞬間に避けるなんてことができるんだから。やっぱり柊さんは他の冒険家とは一線を画してますよね」自動人形との戦闘を終えた柊に対し、蒸気帝国新聞の記者の菊池は含みのある笑顔を柊に向ける。
「何が言いたい」柊の声が一段低くなる。
「いや~そんな怖い顔しないでくださいよ。先ほども言いましたが、他意はないですよ」と笑顔だった菊池の顔が一瞬で真顔になり「なんであんな人間離れした戦闘ができるんですか?もしかして、前にも自動人形と戦ったことがあるんじゃないですか?それも慣れるほどの回数」その瞳は鋭く力強さがあった。

しばし沈黙が流れる。

その沈黙を打ち破ったのは、柊だ。
「私は…この星から遠く離れた火星から来た…いわゆる宇宙人だ」この場にいる誰もが予想だにしていない言葉を柊は口にした。
一同があまりの衝撃に呆然とする中、柊は淡々続けた「あの自動人形はその星の警備人形だ。私は火星でヒーロー…わかりやすく言うと警察だったんだ。だから、あのような警備人形と戦う事はよくあった。そして、宙賊がこの星を狙っているとの情報があったため、潜入捜査している。未開惑星保護条約の規約から資金援助は期待できないため、冒険家として生計を立てている」
気になるであろうことを柊らしく簡潔に説明した。
得も言われぬ間が辺りを支配する。
「な、なるほど。理解できない…わからないことはたくさんありますが、柊さんががあの自動人形を倒せた理由と、知ってはいけない事を知ってしまったということだけはわかりました」と難しい表情で頭を掻く菊池に向かい、「理解が早くて助かる。文明レベルから宇宙云々についてはまだわけがわからないだろうが、これだけはわかっていてくれ。さっきの話をしたことで君たちは未開惑星保護条約の機密保持人物となった。これにより監視対象となり、外部に情報を漏らすそぶりを見せた時点で処刑されることになる」
乾いた笑いをしつつ菊地は、「わかってますよ、みんな。それにそんな罰がなくても、私たちは漏らさないと思いますよ。だって、柊さんがいなかったら…戦ってくれてなかったら、私たちはみんな、あそこで死んでましたから」
「ねっ」という声とともに右手を後ろに流した。
そこにいた洞窟班の面々が一様に頷いた。
みんなをじっと見つめていた柊が、「厄介なことになってしまって、すまない」と頭を下げる。
「やめてくださいよ、柊さん。それを言うなら悪いのは私ですよ。好奇心から自動人形を倒せた理由をしつこく聞いてしまったんですから」
続けて柊が「いや、その疑問は至極当然なもの。みな、疑問に思っただろう。だったら、結論は変わらない。だから、すまない」
「このままでは平行線ですね。わかりました。こうしましょう。今回のことはウチから、本を出してください。どうですか?」と菊池は柊の様子を伺う。
「わかった。…うまくやったな、菊池」
「何がです?言ってる意味が分かりませんが」菊池の顔は満面の笑みだ。
どっと笑いが起きる。
「お話中、失礼しますよ」
高く冷たい声が響き、空気が一瞬で固くなる。

一同がゆっくりと声の方を見ると…「あなた方はミラトの人ですか?」
その声音と同じくその眼は非常に冷たく、眼光も鋭い。
「答えてもくれない…さみしいですね」
一同がその眼光にひるんでいる中、「自分が誰なのかを先に言うのが先じゃないのか?」と、柊が進み出る。
「おやおや、確かにそうですね。失礼しました。私はここを任されているタブロンです」
「ミラトというのはよくわからないが、船から落ちてここに流れ着いたんだ」 柊は答えながら少しずつ横に移動する。
その動きに合わせてタブロンも体の向きを変え、常に柊が正面にいるようにしつつ、「それは大変でしたね」と薄笑いを浮かべる。
「ああ。正直、死んだと思ったよ。ところで、ここに住んでいるのは、あなただけですか?」と柊は話しつつ少しかがんで地面に手をついた。
「私一人ですよ」と答え、薄笑いを浮かべたまま、「ほんと、大変でしたね。でも、安心してください。もう大丈夫ですよ。なぜなら…もう死ぬんですから!」
すると、タブロンは素早くポケットから取り出した銃の引き金をひいた。

刹那

銃口の数倍…いや、数百倍はある大きさの光の線が柊を襲う。
柊は横っ飛びで躱し、着地と同時に右手の親指で何かを弾いた。
「がはっ」
柊が右手の親指で弾いた小石がタブロンの額に直撃し、のけぞった。
その隙を柊は逃さず、瞬く間にその間合いを詰める。

だが、遅い。
タブロンは体勢を立て直し、再び柊に銃口を向けて光の線を放つ。

しかし、その攻撃は空振りに終わった。
「なにっ」
なぜなら、柊はもうタブロンの懐深くに入り込んでいたからだ。
下を向いたタブロンの顎を目掛けて、柊の拳が舞い上がる。
宙を舞ったタブロンがそのまま仰向けに倒れるのとほぼ同時に、柊のかかとがタブロンの腹めがけて振り下ろされる。
「ぶはっ」
動かなくなったタブロンを見下ろし、「こいつを縛る。手伝ってくれ」と離れたところで戦いを傍観していた菊池たちを呼び寄せる。

タブロンが着ていた服を利用して手足と口を縛り、「で、どうしましょうか、これから」菊池が声を掛ける。
「そうだな。一旦、ここを探索しよう」
柊の提案に 菊池は疑問を投げる「いや、でも、また自動人形やタブロンみたいなヤツが襲ってきたりしないですか」
「おそらくまだ大丈夫だろう。言っては悪いが、この星の人間の戦闘力はそれほど高くない。そして、タブロンが一人だと言っていたこと。組織には私がこの星にいることがまだバレていないことから、これ以上配備している可能性は低い」
「ですが、タブロンの言うことを信用できるんですか?」食い下がる菊池に、「信用できる。タブロンはここを任されるぐらいだから、馬鹿ではない。だが、不意打ちをすることなく声を掛けたてきたことから弱い星の人間として私たちを下に見ていた。それに最初から殺すつもりで会話していた。だから、これから死ぬ弱い奴にここにいる人数を言ったところで問題ないと思い、口を滑らせたはずだからだ」
「なるほど。わかりました。では、とりあえず、みんなで探索します」言い終えるや否や洞窟班の面々は散開する。

2兆候

しばらく時間が経った頃、一人、また一人と辺りを探索していた人達が解散した場所に戻ってきた。
探索していた全員が戻ってきたのを確認した柊が口を開いた。
「お疲れ様。まずは私からだが、成果としては特に何もない。この空間を抜けられそうな所はなかった。で、ここの建物についてだが、どこも扉がロックされ入ることができなかったが、1か所、侵入できる所があったから侵入した。中は薬物工場だった。おそらく他の建物も同様だろう。このことは上にも報告し、しかるべき対応をしよう。その点は、安心してくれ。では、何かあれば報告を頼む」
一同が押し黙る中、一人の男性が進み出て、「私は先ほど柊さんとタブロンとの戦闘があったところを探索したのですが、そこに外に行けそうな穴がありました」と、その方向を指さす。
指さされた方を見つつ柊は、「なるほど。では、他に報告がなければ、そこへ向かおう」

その後、特に変わった報告が上がらなかったため、一同は件の穴の所へ来た。
その穴は…
「この穴って…タブロンの銃から放たれた光の線があたった跡…」
空いていた穴は、大人が少し屈めば通り抜けられる程の大きさがあった。
「こんな威力のある銃を持ってりゃ、俺たちなんか下に見て当然か…」
誰かのつぶやきが聞こえる。
その穴を覗き込むと、遠くが仄かに明るい。
「確かに外に行けそうだな。では、行くぞ」
柊を先頭にタブロンが放った光の線によりできた穴に入る。

薄暗い穴を黙々と進むと、先がほのかに明るくなった。
それを目にした菊地は、「ちゃんと…外に通じてるといいんですが」と口を開いた。
「そうだな」と柊は答え、ゆっくりと歩みを進める。
次第に穴の明かりが強くなるとともに、その先の光も大きくなる。
その光が大きく、そして、明るくなるに従い、ザーザーと波が生み出す音が聞こえ…
一瞬、視界が白一色となり、それが時間とともに色を取り戻していく。
すると、そこは波がゆっくりと寄せては返すを繰り返す砂浜だった。

外に出られた開放感から歓声が上がる。
そんな中、「柊さん、あれ」と菊池が指さす。
伸びをしていた柊が、菊池が指し示す先に目をやると、そこには…

のびのびTRPGソロプレイ:次回予告

火星のヒーローの柊とタブロンとの戦闘時にできた穴を抜けるとそこは砂浜だった。一行は脱出できるのか?

次回、最終回「脱出?」でお会いしましょう!