贈答品を買い求めたときに聞かれる「熨斗(のし)はいかがいたしましょうか」の問いかけにあなたはどうお答えしていますか?
シチュエーションを問わず、「熨斗」という言葉を使っていませんか。
これを読めば、用途に応じてスマートに返答できる大人の人だなぁと尊敬されますよ。
☆贈り物をする状況
※おめでたいとき(慶事)
※意外と多い弔事の場合 忌日、お盆、お彼岸の御供
※お見舞
※御礼 など
掛け紙とは
贈り物の品物の上に掛けられる紙のことです。
表書き、水引(みずひき)、熨斗からなる紙のことで一般的に(慶事の場合)、「熨斗紙」とか「お熨斗」と呼ばれたりします。
本来は、「奉書紙(ほうしょがみ)」または「檀紙(だんし)」を用い、用途に応じた色や結び方の水引を結びます。
今では大方の場合、印刷された掛け紙が使われています。
紙の知識として
熨斗(のし)とは
のしあわび
熨斗とは、熨(の)した干し鮑(あわび)のことです。
「熨す」とは、伸ばすことです。
「手のしアイロン」という言葉もありますね。
「のしあわび」にはおめでたいことや良い事を引き延ばしたいという意味があり、引き伸ばしたくない弔事や見舞いには熨斗の付かない掛け紙を使用します。
もともと熨斗あわびは不老長寿の薬と言われ、古来より縁起物とされ、お祝い事には欠かせないものになりました。
慶事のときに使われる由来です。
熨斗を仔細深く見ると、熨斗の真ん中にある黄色い部分が鮑を表しているのがわかります。
それを紅白の紙で包んだデザインマークが、私たちがよく目にするものですね。
「掛け紙でお願いします」
弔事のときには「熨斗」という言葉は使わないで
「御供」は、お盆やお彼岸のときなどに頂いたり差し上げる機会が結構あると思います。
お菓子や乾物類、お茶などを百貨店で購入した場合も必ずと言っていいほど用途と熨斗紙の有り無しを聞かれますが、発送の時は各々の店舗で掛け紙をすることは少なく担当部署で用途(表書き)に応じて掛け紙が用意されますので、お任せして間違いないでしょう。
でも、「表書きが御供なので掛け紙でお願いします」のひと言を添えれば、「この方、わかってるー」と一目置かれます。
お見舞の場合は
病気や怪我で入院中などのケース
入院中のお見舞や退院祝いなどの贈り物には
<掛け紙> 熨斗なし
<水引> 紅白五本結び切り または熨斗なし水引なし
<表書き> お見舞 など
病気見舞は縁起を担ぐことが多く、4文字は死をイメージさせることから、「お見舞い」や「御見舞い」という表記は避けたほうが良いと言われています。
災害見舞いのケース
災害に遭われた方は精神的ダメージも大きいので、できるだけ早くお見舞をします。
当座に必要な費用として金品を贈るのも良いですね。
<掛け紙> 熨斗なし
<水引> なし
<表書き> お見舞 など または杉紙
※無地の掛け紙のことを「杉紙」といいます。
まとめ
熨斗のこと、掛け紙のことを中心にご紹介しましたが、水引の結び方や色など取り決め事はたくさんあります。
知識としてマナーとして知っておくと。お店で名前の確認をお願いされたときチェックできて安心できますね。
私が老舗の和菓子屋さんで、「熨斗紙ではなく掛け紙でお願いします」と伝えたところ、ひときわ丁重な応対を受けた体験がありました。
参考になればありがたいです。