リコの興味しんしん

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各々の興味・関心事などに関する雑学を書いていきます。

のびのびTRPGスチームパンクのソロプレイをやってみた!1回目!!

この短編小説は、「のびのびTRPGスチームパンク」のソロプレイを基に素人が作成しています。
そのため、トンデモ展開、投げっぱなし、伏線未回収などがあります。
また、誤字脱字・表現力不足・矛盾、カードの説明と違うなどもあります。
ご了承ください。

のびのびTRPGソロプレイ:はじまり

箱外観

1:出港

プシュー
轟音ともいうべき音を辺りに響かせ、大型蒸気機関客船「白桜号」は補給のため一時着港していた港から離岸した。

離岸後、しばらくすると港があった陸地が見えなくなり、先ほどまで青かった空が次第に赤みがかり、夜の帳が下りようとしていた。
大型蒸気機関客船「白桜号」の2階に位置する窓から感慨深げに窓外を見ている人物がいた。
その人物が泊まる客室のドアをノックする音がした。
その人物は窓際から入り口に移動し、ドアを開けると、そこには黒い帽子を被った船員がいた。
船員は一瞬驚いた様子を浮かべたが、何事もなかったかのように帽子を脱ぎ、一礼する。
「柊様、本日は白桜号をご利用いただき、ありがとうございます」
それに柊と呼ばれた人物は「ああ」とだけ簡潔に答える。
船員は「良い旅を」と続けたが、柊を見つめたままその場を動かない。
不審に思った柊は、「まだ何か?」と言い放つ。
「い、いえ。柊様の冒険譚はよく耳にしておりまして、どんな屈強な方かと思っていましたら、普通の女性でしたので、驚いてしまいまして。申し訳ありません」
詫びる船員に対し、「気にするな。よく言われる」すこし照れくさそうに頬をかく柊。
「噂で申し訳ありませんが、もう少し薄い色の赤毛なのかと思っていたのですが、本当に綺麗な真紅色の髪をしていらしたのですね」
「ああ。生まれつきでな。昔は」と柊が何か話そうとした時、通路の先から船員を呼ぶ声がした。
「あっ。申し訳ありません、柊様。失礼いたします」
というや否や船員は、声のする方に駆け足で向かった。
その後ろ姿を横目に柊は、部屋の中へ戻る。

船員のいうように柊由夏は何かしらの冒険をし、その話を本にし、そしてまた新たな冒険へと向かう…冒険家を生業としてしてる。
その冒険譚はなかなかに人気が高く、多くの人に読まれている。
作中で色んな危険に巻き込まれ、それを乗り越えていることから、読者のイメージは、真紅の髪を持つ屈強な女性というものに固まってしまっていた。
故に、柊の正体がバレてしまうと、概ね船員のような態度となってしまうのだった。
「今度からは私を模したイラストを入れるようにしようかな…」
出版費用を抑えるため挿絵を控えていたが、次回作からは入れるべきかと考えながら、窓際に戻り、椅子に座った瞬間…

ドンドンドンドンッ

激しくドアを叩く音が響いた。
「なんだ」と立ち上がると、ドアへと向かった。
ドアを開けると、そこにはハンカチで汗を拭っている先ほどの船員とその隣には、船員と同じようにハンカチで汗を拭っている船員よりも位の高そうな制服を着ている白髭を蓄えた男性が立っていた。
その様子から、ただならなぬ雰囲気が見て取れる。
「どうした?」の柊の質問に、白髭の男性が帽子を脱ぎ、一礼し「初めまして、柊様。私はこの白桜号の船長のダン・フロンと申します。この場では申し上げ難いことですが、柊様にご助力いただきことがありまして」
柊は逡巡したが「ああ」と答えると、「ありがとうございます。こちらです」と船長のダンと船員に先導される形で歩き出した。

2:幕開

ドアプレートに「VIP」と書かれた最上階にある一室の前で船長と船員は立ち止まった。
おもむろにドアを開け、「こちらになります」と手を差し向ける。
促されるまま部屋に一歩踏み入れた瞬間、「助力が欲しい」という意味を柊は理解した。
躊躇しそうになる足取りを気持ちで振り切り歩みを進めると、開けた空間に出た。
「やはり、そういうことか…」
柊の呟きに「はい」と隣で短く頷く船長。
3人の視界に入っているものは同じで、元は白だったと思われる壁が赤く染まっていて、床は元々赤かったため分かり難いが何かが染み込んだであろう跡が多く見られる。
そして、部屋の中央やや奥側では、椅子に座る上を向いた男性がいた。
その上を向いた男性の首には、大きな切り口が入っており、それは首の半分ほどにまで達しているように見える。
ということは、赤く染まった壁・塗れた床は、そこから飛び散った血によるものだった。
凄惨な状況に思わず目をそむけたくなるが、柊は務めて冷静な口調で「助力というのは、捜査に協力してほしいということか」
「はい、そうです。」船長は頷き、「現在、航海中ですぐに警察の協力を求めることが難しい状況です。また、柊様以上にこの件に関し協力を求めることができそうな方もいません。ですので、ご協力をお願いできないでしょうか」
「そうだな」と顎に手を当て考え込み、「可能性がないと言い切ることはできないが、航海中ということもあり犯人が逃亡したとも考えにくい。となれば、被害の拡大も考えられる…。わかった。微力だが協力しよう」
「ありがとうございます」と目を輝かせた船長に、「ただ…私は冒険家であって警察ではない。協力はするが、期待に応えられない場合もあることを理解しておいてほしい」と補足する。
「問題ありません。よろしくお願いします」
「ああ」と柊が一歩進み出た瞬間・・・

のびのびTRPGソロプレイ:次回予告

殺人事件の捜査に協力することになった柊は事件を解決できるのか。また、なにが起ころうとしているのか。

次回「ここはどこ?」でお会いしましょう!