リコの興味しんしん

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各々の興味・関心事などに関する雑学を書いていきます。

のびのびTRPGスチームパンクのソロプレイをやってみた!3回目!!

この短編小説は、「のびのびTRPGスチームパンク」のソロプレイを基に素人が作成しています。
そのため、トンデモ展開、投げっぱなし、伏線未回収などがあります。
また、誤字脱字・表現力不足・矛盾、カードの説明と違うなどもあります。
ご了承ください。

のびのびTRPGソロ:どうして?

箱外観
冒険譚で有名な冒険家の柊由夏。
彼女は、殺人事件の捜査協力をすることになったが、船から落ち無人島でサバイバル生活を余儀なくされた。そして、キャンプ地とした洞窟の安全確認のため、内部を探索することになったのだが……

1襲撃

ジメジメとした湿気を感じる暗闇が支配する洞窟内で、警戒しながら柊が越えて行った岩山を手探りで北山は登る。そして、その岩山の頂上から顔を出した瞬間、驚くべきものが北山の視界に飛び込んで来た。
洞窟の奥は薄い明かりが灯り、その壁面は自然で作られた素材ではない…明らかな人工物であろう鉄のようなもので出来ていた。
その光景に北山が驚嘆し呆然としていると、「おい。こっちだ」という柊が呼ぶ声に現実に引き戻され、岩山を慎重に乗り越え、柊の傍に降り立ち身を隠す。
北山に続けて現れる者全てが、北山と同様の反応を示す。
無理もない、人工物も見当たらなかったため無人島だと思い込んでいたのだから。
みなが柊の元に来た時「なんであんなものが…」だれかが思わず口を開いた。
その回答を持つ者はこの場にはいないが、「わからない…が、調べないわけにはいかないだろう」と周囲を警戒しながら少しずつ歩みを進めた柊。
少しずつ、少しずつ周囲を警戒・観察しながら歩みを進めた柊たち一行は、一様に1つの見解に至った。
それは…ここは私たちが知っている技術で作られた場所ではないということだ。
ぞの見解の証拠となるものが、柊たちの周囲に存在した。
「なんなんだ、これは。こんなの今までに見たことがない」
周囲を見ながら独り言ちる北山。
一見すると、ただの金属製の壁に見える。しかし、それは淡い光を放っていた。このような技術、現在の柊たちが住む世界の技術ではありえない。未知の技術…オーパーツともいうべき代物だ。
そんなオーバーテクノロジーが詰め込まれた代物が、いたるところに見受けられる。
洞窟班一行がそれらに魅了される中、柊は一人、警戒を続けていた。
その時…ウイーンという音が静寂を破った。
その音を聞き一行が体をこわばらせる中、柊はいち早く行動を起こし、音が聞こえて来る方向とは反対にあった物陰に身をひそめた。
その動きに習い他の面々も、柊と同様に音の反対方向にある物陰に隠れた。
物陰に隠れ動向を見守る一行に向い、ウイーンという音が次第に大きくなってくる。
物陰から少し顔を出し、柊は音がする方を確認し、その音の発生源を見て目を見開いた。
柊の様子に気づいた北山もそっと顔を出し、目を見開いて驚いた。
その音の発生源と思しき物体は、大きさは人と同等くらいだか、驚くべきはその移動方法だった。
物体はウイーンという音を立ててながら、滑るように動いていた。
また、あれだけの質量が動いているはずなのに、動力源から排出される蒸気が一切なかった。
「どうやって動いているんだ…」北山は思わず声に出してしまった、ちょうどその時だ。
ピー、ピピという今まで鳴っていなかった音が響いた。
「生体反応確認」その声に柊は身を強張らせる。
「警戒モード4から排除モードへ移行。熱源を排除する」言うや否や物体の両端の中から棒状の物が2本出てくる。その一方にはナイフが、他方には小さな銃が付けられていた。さらに、小さな銃は物体自体の前面にも、もう1つ現れていた。
「チッ」という声をその場に残し、自分が囮になるかのように柊は隠れていた物陰から飛び出し、次の物陰へと疾駆する。
その後を追うように、光の線が流れる。

実弾ではなく、何か他の攻撃方法のようだ。1つだけ言えるのは、光の線に触れるのは危険だということだ。
実際、光の線が通った後の金属製の壁には、溶けた様な跡があった。
「絶対に戦おうとするな!身を守れ!」柊からの指示が飛ぶ。
言うや否や柊は身を隠していた物陰から飛び出し、自動走行する物体に近づくべく次の物陰へと移動する。もちろん、飛び出すと光の線が後を追う。
幾度か移動を行い、次の移動で自動走行する物体に攻撃ができる距離に近づいた。
その動きを物陰から覗いていた北山は「(凄い速いな。どうすればあれだけの速さで動けるのだろう…。てか、次の移動で攻撃できそうだけど、武器らしい武器は何も持ってないはず…どうするんだろう)」と柊の動きに驚くものの攻撃方法に不安を抱いた。
その時、柊は物陰から飛び出し、物体に肉薄する。
その接近を物体は呆けて待つわけもなく、腕と思しき棒に付けられた銃から光の線が放たれる。
が、疾駆する体の位置を少しずらし、光の線を躱す。その柊の位置に合わせて、物体の腹部にある銃が火を吹いた。
しかし、まるで光の線が来るところが予め分かっていたかのように柊はまた少し位置をずらして躱し、物体に手が届く距離まで近づいた。
そこへ今度は銃ではなく、ナイフが柊を襲う。が、それを左手で掴み、柊は右方向へステップを踏む。
しかし、そこは銃がある腹部の前だった。
案の定、物体の腹部にある銃から光の線が放たれた…が、それを柊は身を横にして躱した。そのため、光の線は空を切った…かのように見えたが、物体自身のナイフが付いた腕を貫いていた。
その貫かれたナイフ付の腕を柊は右手に持ちかえ、銃を出すために腹部に開いていた隙間にねじ込んだ。
すると、物体はバチバチと火花を腹部から放ちながら、光が付いたところが生気を失ったように消え、機能停止した。

2尋問

「ふう」と柊は一度息を吐き、ゆっくりと北山らの方へ歩き出した。
それを見た北山たちは、それぞれ隠れていた物陰から出て柊のもとへ歩きはじめた。
「柊さん、凄いですね。なんなんですか、あの動き。それにどうして、あんなのと戦えるんですか?」北山は集合するや否や矢継ぎ早に質問を投げかける。
「ああ。いつものことだ」と短く答えるだけだった。しかし、北山はそれを気にする様子もなく興奮状態だった。
その二人のやりとりを無視し、一人の男性が声を掛ける。

「やはり柊さんは凄いですね。他の冒険家とは一線を画しますね。」その男は続ける「こんな時になんですが、私は蒸気帝国新聞の菊池といいます」
「柊だ」と差し出された手を柊は握り返した。
「無事に帰れたら、酒でも飲みながら、取材させて頂きます」との菊池の言葉に、「帰れればな」と柊は付け加える。
「そうですね、早く帰りたいです。結婚したばかりなんで」表情は笑顔のため、心理を読めないでいると「で、ですね。聞きたいことがあるのですが、いくつか質問して良いですかね?」
柊の回答を待たずに「まずですね。あれは何なんでしょう?」と柊が倒した物体を指差す。
「私に聞かれてもな。自動で動く人形ということくらいしかわからないな」との柊の回答に「……そうですよね。状況的に私たちと同じですもんね。すみません」笑顔だが何か含むことがあるみたいだ。
「それにしても、その自動人形との戦闘中、柊さんの動きはすごかったですね。次から次へとものすごい速さで移動してたかと思うと、一気に間合いを詰めて、敵の攻撃を回避・利用して、逆に倒してしまうなんてなかなかできませんよ。初見なのにそれができるなんて、ほんと、冒険家ってすごいんですね。もしかして、柊さんが特別だったっていうことですかね?」表情は笑顔のままだ。
「普通の冒険家だが、なにかあるのか?」怪訝な表情を浮かべた柊に「いやいや、他意はないですよ。人間離れしているようなすごい速さだったから、気になっただけですよ」と菊地は乾いた笑いをする。
訝しむ柊を気にする様子もなく続ける「いや~、でも本当にすごいですよね。初めて見た敵に果敢に挑むだけじゃなく、倒してしまうんだから。しかも、光の線が放たれるタイミングがわからないのに、銃から光の線が出る瞬間に避けるなんてことができるんだから。やっぱり柊さんは他の冒険家とは一線…いや、10線以上画してますよね」菊池は笑顔を柊に向ける。しかし、その瞳は柊というよりか他の何かを視ているようだ。
「何が言いたい」柊の声が一段低くなる。
「いや~そんな怖い顔しないでくださいよ。先ほども言いましたが、他意はないですよ。私はただ聞きたかっただけなんですよ」古くからの友人のように菊池は笑顔のまま、柊の肩に手を回す。
そして、菊池の顔から笑顔が消え「ほんとに初めてなんですか、あの自動人形と戦うの。それに、なんで人間離れした動きができるんですか」
しばし、沈黙が流れる。
肩に回された菊池の手をはねのけると、柊は口を開いた。
「私は……」

のびのびTRPGソロプレイ:次回予告

洞窟探索で自動人形と戦闘を切り抜けたが、しつこく何かを聞き出そうとする菊池の質問に柊はどう返すのか。

次回「マヂで?」でお会いしましょう!