リコの興味しんしん

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土佐犬ってどんな犬種なの?性格や特徴・飼育のポイントも

闘犬として知られ、一般的には怖いイメージが強い土佐犬ですが、実際はどんな犬種なのでしょうか。
また、その性格や特徴・飼育のポイントなども気になりますね。
そのため、今回は「土佐犬ってどんな犬種なの? 性格や特徴・飼育のポイントも」をご紹介します!

土佐犬とは

その名前通り、土佐犬高知県原産の犬種です。

とは言っても、最初から高知県に「土佐犬」という犬種が存在していた訳ではなく、その起源は何と江戸時代後期から明治時代まで遡ると言われています。

その当時、マスティフやブルドッググレートデンといった闘犬として作出された犬種や体格の大きい様々な犬種が海外から数多く輸入されるようになったこと、闘犬人気が高かったことから、元々いた四国犬と交配がなされました。

そして、産まれた新種に改良を繰り返したことによって、土佐犬が誕生したんですよ。

その中でも、特に強い影響を受けているのはオールド・イングリッシュ・マスティフであると言われているんですが、これは外見もよく似ているほか、土佐犬のことを海外では「ジャパニーズ・マスティフ」と呼ばれていることからも頷けますよね。

では、なぜ様々な犬種と交配して産まれた犬種にもかかわらず、土佐犬と呼ぶのかというと、土佐犬の誕生よりもさらに前の14世紀…実に鎌倉時代後期~室町時代前期頃に現在の高知県である土佐藩で、武士たちの士気を高めるために闘犬が行われており、その際に土佐犬と呼ばれ活躍していたのが、「四国犬」と呼ばれる犬種で、この四国犬をベースとして改良が加えられ誕生したのが、現在の土佐犬(正確には土佐闘犬)だからという訳です。

日本だけでなく海外内にもその名が知られている土佐犬ですが、何と言っても闘犬ですから、それに見合うだけの強靭な肉体はもちろん、凄まじいまでの闘争本能を持つため、国内外を問わず非常に危険な犬種としても知られています。

実際、海外では飼育許可が必要とされている国や飼育自体を禁止している国があり、日本においても同様に、地域によっては「特定犬種」として届けを出すことを義務づけられている場合があるなど、飼育自体にハードルが設けられています

では、そんな土佐犬の性格はというと・・・

土佐犬の性格

一般的なイメージとしては、「土佐犬はもともと闘犬だし、たまに人に襲い掛かったりする事故を起こしてるから、とにかく怖い」というものが強いと思いますが、実際のところ、その性格はどんなものなのかというと・・・

  • 実は穏やかで温和
  • 縄張り意識が強い
  • 耐久力がある

などがあります。

それぞれ順に解説すると・・・

実は穏やかで温和

既述したように、一般的にはどうしても闘犬だから怖い」というイメージを持たれてしまいがちな土佐犬ですが、実は大型犬特有の穏やかで温和な性格をしています。

土佐犬に対して、怖いなどのネガティブなイメージを持っている人には信じられないことかもしれませんが、小さい頃から愛情と厳しさを兼ね備えたしつけをしっかりと行っていれば、飼い主や自身が知っている人に対してはとても穏やかかつ従順で、しっぽを振って擦り寄るなど人懐っこい一面も見せるようになるんですよ。

驚くかもしれませんが、しっかりとしつけを行っていれば、たとえ手を口元に持っていくなどの少し度を越えた(?)スキンシップをしたとしても、絶対と言って良いほど怒りません。

そもそも、土佐犬がその闘争本能をむき出しにするのは、闘犬として戦う時もしくは知らない人や犬と会った時だけなんです。
ですが、それもまた小さい頃からのしつけで抑えることができます。

つまり、たまにニュースなどで取り上げられることがある、土佐犬の人間に対する咬傷事件の主な原因は、飼い主がしっかりとしたしつけを行わず、ある意味好き放題にさせてしまった結果なんです。

言わずもがなですが、土佐犬は大きな身体はもちろんのこと、闘犬ならではと言えるあり余るほどの闘争本能を持っていますので、土佐犬の飼育に向いている人は、これまでに土佐犬の飼育経験があり、幼少期から愛情と厳しさを兼ね備えたしっかりとしたしつけが行える人と言えます。

しっかりとしたしつけが行えば、土佐犬もきっとあなたを信頼し、まるでイメージを覆すような愛嬌ある一面を見せてくれるはずですよ。

縄張り意識が強い

縄張り意識というものは何も土佐犬だけに限ったものではありませんが、土佐犬の場合は、特に縄張り意識が強いことが知られています。

さらに、オスは「繁殖期」になると、普段は家庭犬として穏やかに過ごしていても、本来の闘犬としての本能がむき出しになり、他の犬が自身の縄張りに入ってこようものなら、問答無用で襲い掛かるんですよ。

こう聞いて「ああ、やっぱり土佐犬ってそういう怖い犬なんだ」と思う人もいらっしゃるかも知れませんが、それはあくまでも繁殖期だけのことであり、普段は既述したようにおおらかで寛容・そして飼い主にも従順と言われています。

ですが、土佐犬は言わずもがな「超」が付くほどの大型犬であることから、筋力も噛む力も相当強いので、小さなお子さんがいる家庭や高齢者の方は飼育に向いていません。

ただし、既述したように幼犬の頃から優しさと厳しさを併せ持った愛のあるしつけをしっかりと行うことで、飼い主やその家族だけでなく他人に対しても余裕のある態度で接するようになりますので、家庭犬として迎える場合は、こういったしつけをしっかりと行うようにして下さい。

耐久力がある

そもそも土佐犬闘犬として作り出されたという歴史があることから、痛みには強く、噛まれてもそう簡単には泣き声をあげないという耐久力があります。
事実、闘犬のルールのひとつに「相手に噛まれた際に泣き声をあげたら負け」というものがありますからね。

そのため、土佐犬の皮膚は相手に噛まれても深手を負わないようにするために、よく伸びるようになっているんです。

また、痛みに強いだけではなく長丁場の勝負に耐えるだけの持久力も十分にあり、持久力においては何と猛獣のヒョウをもしのぐと言われているほどなんですよ。

というのも、ヒョウは知っての通り最大で約120kmものスピードが出せることから、瞬間的な勝負であればヒョウに軍配が上がるんですが、もしも長期戦になった場合、ヒョウはスタミナがもたずに負ける恐れがあると言われているんです。

とは言っても、この両者がぶつかり合うことはまずあり得ないと思いますが、たとえシミュレーション上であっても、猛獣のヒョウに勝てるほどの底力があると言うのは凄いですよね。

このエピソードからも、土佐犬の強さ、そして耐久力が並外れているということがお判りいただけるのではないでしょうか。

土佐犬の特徴

では、そんな土佐犬には、どんな特徴があるのかというと・・・

  • 体中の皮膚がシワで覆われ、筋肉質
  • 身体の大きさは個体によって異なる
  • 被毛は短くダブルコート

などがあります。

それぞれ順に解説すると・・・

体中の皮膚がシワで覆われ、筋肉質

土佐犬闘犬を目的に作り出された犬種であることから、顔を含めた体中の皮膚がシワで覆われています。

これは、戦いの際に相手に噛まれても深手を負わない、つまりはダメージを軽減させるようにするためであり、いわゆるクッションのような役割を果たしているんですよ。

また、闘犬なだけに、とても筋肉質な体付きをしており、その外見は横綱クラスであれば犬だけではなく人間をも圧倒するほどの迫力があります。

事実、筆者である僕も高知県の「とさいぬパーク」という闘犬施設(閉館)にて、土佐犬横綱を目の当たりにした時には、思わず「うわ、デカっ!」と言ってしまいましたから。

正直、万が一襲われでもしたとなれば、確実にアニメ「北斗の拳」の主人公であるケンシロウの決めゼリフのように「お前はもう死んでいる」となることでしょう。

それほど迫力のある外見をしていながら、幼少期からのしつけ次第で飼い主家族に対してだけではなく、他人に対してもおおらかで寛容な性格になるんですから、「怒ると怖いけど、本来は優しい」という意味では、かつて俳優として活躍した、故・安岡力也さんのようですよね。

ダメージを軽減させるためのシワに加え、人間をも圧倒するほどの筋肉質な体を持っている土佐犬は、まさに「最強」と言えるでしょう。

身体の大きさは個体によって異なる

冒頭でも触れましたが、土佐犬はマスティフやブルドッググレートデンといった闘犬として作出された犬種や体格の大きい様々な犬種と交配して誕生した犬種であることから、身体の大きさは個体によって異なります。

一般的に標準と言われているのは、オスであれば体長60cm、メスであれば55cmですが、その個体がどの犬種と交配して誕生したかによって大きく変わるんですよ。

また、体重も、何と36~100kgの間と、非常に開きがあるんですが、これは日本原産・海外原産かの違いであり、日本であれば小さく体重は70kg弱なのに対し、海外であれば90kg強や100kgを超える個体も存在します。

ちなみに「ジャパンケンネルクラブ」以外の犬種団体では、大型・中型・小型と3段階の体重で分けられており、55kgから上を大型に指定していると言われています。

これを他の犬種と比較すると、チベット原産で2014年に世界最高と言われる2億円もの値段がつけられたことで話題となったチベタン・マスティフや、救助犬として知られているセントバーナードとほぼ同じサイズなんです。

こうやって比べてみると、個体差の開きは大きいものの、土佐犬がいかに大きいかが判りますよね。

ただし、いくら大きいとはいっても、標準体重を超えて肥満になってしまうと呼吸器や循環器に悪影響ですので、体重管理はしっかりと行ってあげるようにして下さいね。

被毛は短くダブルコート

土佐犬の被毛は短毛ですが、硬くて太い上毛と細い下毛の「ダブルコート」で構成されているのが特徴です。

短毛なだけに手入れはラバーブラシでのブラッシングのほか、汚れが目立つ時には濡れたタオルで拭いてあげるだけでOKととても簡単なんですが、ブラッシングに関してはできるだけ毎日行うようにした方がベターです。

そうすることにより、被毛の生え変わり時期の抜け毛を防ぐことができるほか、飼い主と愛犬とのスキンシップにもなりますので、愛犬のストレス軽減にも効果があるんですよ。

ここまで繰り返し書いているように、土佐犬闘犬として作出された犬種ですので、内には溢れんばかりの闘争本能を秘めているものの、自身がボスと認めた飼い主やその家族に対しては、とても愛情深く接します。

それだけに、飼い主とのスキンシップが不足していると次第にストレスが溜まり、元来の闘争本能むき出しの性格へと豹変してしまうんです。

そう考えると、スキンシップを兼ねた日頃のブラッシングがいかに大切なのかが判りますよね。

なお、毛色に関しては、最も人気なのは「レッド」と呼ばれる赤褐色に近い栗赤色ですが、その他にもアプリコット、フォーン、ブラック、ブリンドルなどがあるほか、少数派ではあるものの白毛や虎毛、また被毛の色とは若干違いますが、胸や脚の部分に白い斑点が入る場合もあります。

土佐犬の飼育のポイント

持って生まれた闘争本能と、大型犬特有のおおらかさ・寛容さを併せ持っている土佐犬ですが、飼育するためのポイントにはどういったものがあるのかというと・・・

  • 頑丈なケージで飼育する
  • 他の犬や人と積極的に触れ合わせる
  • 脂肪分が高い食事は避ける

などが挙げられます。

それぞれ順に解説すると・・・

頑丈なケージで飼育する

既述したように、土佐犬は身体が大きい個体であれば、「超」が付くほどの大型犬ですので、室内外問わず頑丈なケージで飼育する必要があります。

とはいっても、ただ単にケージで飼育すれば良いというのではなく、屋外飼育の場合は特に、飼い主家族以外の誰かが安易にケージに近づくことができないように、頑丈な仕切りなどを設置したりといった工夫も必要になってきます。
それにこうすることで、愛犬の脱走を防ぐこともできますしね。

何かしらの事故が起こってからでは遅いので、こういった対策をしっかりと行っておくことが大切です。

また、室内飼いの場合であっても、オスであれば特に体重が重い場合が多いことから、関節炎になりやすいというウィークポイントがあるので、床がフローリングであれば滑ることが無いように滑り止めのシートを敷いたり、疲れた際にくつろぐためのクッションやベッドなどを用意したりといった対策が必要になります。

このように土佐犬が快適に過ごすための環境をしっかりと整えてあげることで、彼ら・彼女らからのあなたに対する信頼度は急激にUPし、家族を守る心強い味方として、いつもあなたを含む飼い主家族のそばにいてくれることでしょう。

他の犬や人と積極的に触れ合わせる

繰り返しになりますが、土佐犬闘犬を目的として作出された犬種であることから、闘争本能と縄張り意識、また警戒心が非常に強いため、それを自然な形で抑え込むためにも、幼犬の時から散歩(朝夕2回、30分程度)等で他の犬や人と積極的に触れ合わせることが大切です。

そうすることで、他の犬や人に敵対心を見せることなく、大型犬特有のおおらかかつ寛容な性格に育ちますから、闘犬としてではなく家庭犬として育てる場合は必要不可欠なんですよ。

事実、このようにして育てられた土佐犬は、オスメス関係なくとても友好的であり、他の犬や人に危害を加えることはまず無いと言われています。
そういう意味では、やはり犬種は関係なく飼い主家族の育て方ひとつで性格は変わるということですね。

なお、散歩の際のコツとしては、身体が大きいぶん関節に負担がかかりやすいという弱点があるので、生後10か月頃までは身体に大きな負担がかかるような運動は避け、滑らない地面を歩かせるなどして自由に運動させるようにすることです。

とは言っても、マイペースでゆっくりと歩くだけでは散歩の効果が出にくいので、時々は少し速足で歩かせるなどの変化も付けてあげた方が良いでしょう。

もちろん、歩くスピードに関係なく、興奮して他の犬や人に襲い掛かるなど万が一のことがあっては取り返しがつきませんから、必ずリードを付け、常に目を離さないようにして下さいね。

脂肪分が高い食事は避ける

実は土佐犬は体質的に皮膚が弱く、アレルギー性皮膚炎にかかりやすいという弱点を持っていることから、脂肪分が多く含まれているドッグフードなどの食事は避けるべきです。

こう聞いて「いやいや、闘犬なのに皮膚が弱いってどういうこと?おかしくない?」と疑問に思い、思わず笑ってしまった方もいらっしゃるかも知れませんが、おそらく彼ら(闘犬を行うのはオスだけなので)の中では、噛まれる痛みとアレルギーの痒みは全くの別物なんでしょうね。

ちなみに、アレルギー性皮膚炎の主な原因としては、遺伝的なものが多いと言われているんですが、食事の見直しや投薬などで改善できますので、愛犬が執拗に身体を掻きむしっているようであれば、速やかにこれらを実行するようにしてあげて下さい。

また、人間と同じく肥満を防止するという意味においてもこれらの対策はとても重要で、明らかに標準体重をオーバーしているにもかかわらずそのまま放っておくと、関節に負担がかかってしまうのはもちろん、歯周病などの生活習慣病を引き起こしてしまう可能性もあります。

さらに、個体差こそあるものの一般的に身体が大きいこともあるのか、土佐犬は、肥満になりやすい犬種と言われていますので、日頃から高タンパク質かつ低脂肪、アレルゲンフリーといった健康的な食事を与えてあげることが大切です。

なお、土佐犬の平均寿命は10年~12年と、小型犬と比べるとどうしても短くなってしまいますので、そのぶん栄養のある食事を与え、少しでも長生きできるように努めてあげて下さいね。

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マスティフやブルドッグなどとの交配で誕生し、実は穏やかで温和、飼い主家族には優しさを見せる土佐犬

触れ合えば、きっと虜になることでしょう。