リコの興味しんしん

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セントバーナードはどんな犬種?性格・特徴や飼育ポイントも

アルプスの少女ハイジ」や、映画「ベートーベン」で有名なセントバーナードは、一体どんな犬種なのでしょうか。
また、その性格や特徴・飼育ポイントも気になりますね。
本記事では、「セントバーナードはどんな犬種?性格・特徴や飼育ポイントも」をご紹介します!

セントバーナードとは

セントバーナードは、その体高・体重共に全犬種中最大を誇るスイス原産の犬であり、1974年(昭和49年)に初放送されたアニメ「アルプスの少女ハイジ」や、1992年(平成4年)に公開されたホームコメディ映画「ベートーベン」に出演していたことでも知られています。

その祖先は、2世紀頃にローマ帝国の軍用犬としてスイスに持ち込まれたモロシア犬であり、その後スイスとイタリアの国境にある「サン・ベルナール寺院」で飼育され、17世紀頃から救助犬として活躍するようになったんですが、セントバーナードという犬種名は、この「サン・ベルナール」を英語読みしたものなんですよ。

また、なぜ救助犬となったのかですが、当時、サン・ベルナール寺院の近くに位置している峠は、人々の往来が非常に激しい場所ながら、何と冬であれば気温-30度・20mもの積雪量があり、遭難する人が後を絶たなかったためなんです。

ちなみに、セントバーナードは「気は優しくて力持ち」というまるでヒーローのような気質をしているので、いわば救助という任務がピッタリであり、遭難者を発見するとそっと寄り添い、遭難者の体を温めてくれたり、場合によっては安全な場所まで運んでくれることもあるんです。

こういった性格から、17世紀頃から20世紀初頭にかけての約250年間の間に、何と2000人を超える遭難者を救ったと言われているほか、中でもその生涯を通して約40人もの人命を救助したセントバーナードの「バリー」は、死後200年以上経った現在でも、その偉業が伝説として語られているんですよ。

そう考えれば、バリーをはじめ、セントバーナードの気質はまさにヒーローそのものと言えるでしょう。

そして現在では、温和でありながらいざという時に頼りがいのある良き家庭犬として、多くの人々に愛されています。

セントバーナードの性格は

では、そんな一面を含めたセントバーナードの性格はというと・・・

  • 人懐こくて穏やか
  • 賢くて責任感がある

などがあります。

順に解説すると・・・

人懐こくて穏やか

その大きな体に似合わず、セントバーナードは、飼い主家族に対してとても人懐こいうえ、穏やかで落ち着いた性格をしています。

確かに、「アルプスの少女ハイジ」や「ベートーベン」で見るセントバーナードは、まさにそういった感じですもんね。

ただ、幼少期のセントバーナードは、やんちゃ・おてんばなことがありますが、成長と共にその性質は落ち着いてくることがほとんどなんですよ。

そうはいっても、「超」が付くほどの大型犬のセントバーナードです。
飼い主や家族が怪我をしてしまったり、他の人や犬に怪我をさせてしまったりしては大変ですので、そうならないようにするためにも、幼少期からしっかりとしたしつけを行うことが大切です。

また、救助犬として活躍していたこともありセントバーナードはとても賢いので、間違ったしつけを行わない限りは、飼い主家族に対して従順で、他の犬に対しても友好的です。

もしかすると相手の犬の方が、「うわっ、何だこいつ。デカ過ぎるだろ!?」という感じで逆に委縮してしまうかもしれませんが・・・。

また、こういった態度は人間の子供にも対しても同様で、たとえ少しちょっかいを出されたとしても気に留めることなく優しく・愛情深く接してくれるため、小さいお子さんがいる家庭であっても、飼育できるスペースがあれば問題なく共同生活を送ることができます。

賢くて責任感がある

繰り返しになりますが、セントバーナードは昔から救助犬として活躍してきた歴史があり、現在でもその気質が残っていることから、とても賢い上に責任感が強く、自身がやるべきことは最後までやり遂げるという粘り強い気持ちを持っています。

またそれと同時に、飼い主から特に何の指示も与えられなくても、自身で考えて行動しようという自主性にも優れていますので、そういう意味ではとても賢い犬種と言えるんですよ。

ですが、実はこの性格はマイナスな面も持ち併せており、その面が出てしまうと常に自身で考えて行動するようになってしまうため、納得いかないことに関しては、たとえ飼い主の言うことであっても絶対に聞き入れない頑固者になってしまうこともあります。

それが特に何でもない時に出たのであれば問題はありませんが、万が一興奮を抑えきれずに他の犬や人間の子供に飛び掛かった時となれば一大事ですよね。
そういったことが起きないようにするためにも、やはり幼犬の時からの優しさと厳しさを兼ね備えたしつけは、必須と言えるでしょう。

セントバーナードの特徴

人懐こい一方で頑固者という、ある意味対極とも言える性格をしているセントバーナードですが、その外見的な特徴はどんなものがあるのかというと・・・

  • 体の大きさは、全犬種中トップクラス
  • 被毛はダブルコート
  • よだれが多い

などが挙げられます。

それぞれ順に解説すると・・・

全犬種中トップクラスの体の大きさ

冒頭部分でも少し触れましたが、セントバーナードの体高は65~90cm、体重は50~100kgと350種を超えると言われる犬種の仲でもトップクラスの大きさとされています。
確かに、あの迫力のある大きな体は、一度見たら忘れられませんよね。

事実、僕も小学生の時に飼い主さんと一緒に散歩中のセントバーナードを初めて見た時、思わず「うわ、デカっ!」と言ってしまいましたから。

ちなみに、セントバーナードの大きさは、日本において古くから闘犬としてその名を知られている土佐犬とほぼ同等(土佐犬の体高・体重は、62~82cm・60~90㎏)と言われているんですよ。

正反対の性格をしていると考えられている2犬種ですが、共に「世界で最も大きな犬トップ5」に名前が挙がることを考えれば、やはりセントバーナードの大きさが並大抵ではないということがお判りいただけるんではないでしょうか。

それだけに、セントバーナードはスキンシップのために軽くハグをしたり、犬の方から寄り添ってくれた時の安心感はとてつもないものがありますので「大型犬と毎日戯れて癒されたい」という願望がある人にとっては、これ以上無いパートナーとなること間違いなしです。
きっとあなたのことを毎日温かく見守り、時には甘えながら無償の愛を注いでくれることでしょう。

被毛はダブルコートで抜け毛が多い

スイスという寒い国原産の犬種であるセントバーナードの被毛は、アンダーコートとオーバーコートという2種類からなる「ダブルコート」となります。

皮膚から直に生えているアンダーコートは、一般的に密集した生え方をしているため、体温を保持する役割を果たしており、オーバーコートは硬いことから外部からの刺激や寒さから体を守ってくれるんですよ。
つまり、この2種類の被毛を持っていることで、体を守りつつ厳しい寒さに耐えることができるという訳ですね。

また、セントバーナードには短毛種と長毛種が存在し、どちらも抜け毛はありますが、長毛種の方がより抜けやすく、アンダーコートが厚いため、毛が蒸れないように定期的なブラッシングが必要になるほか、寒い環境に耐えれるように作出された犬種ですので、夏毛に変わる際には大量の毛が抜けます。

このことから、室内で飼育していると、その量に驚くことでしょう。

さらに、体温を維持する役割を担っているアンダーコートが密集して生えているため、室内飼いの場合だと、被毛が生え変わる時期の「換毛期」になっても毛が生え変わらず、どんどんと蓄積していく可能性があります

そうなると、当然ながら不衛生になってしまうことはもちろん、他の毛に絡まって蒸れたり雑菌が繫殖し、皮膚病の原因にもなってしまいますので、毎日の散歩の後にブラッシングをするなどを習慣化し、しっかりとケアしてあげることが大切です。

よだれが多い

セントバーナードはよだれの量が多いことで知られているんですが、その理由は顔の形にあり、鼻が短く口周りの皮膚が垂れているので、よだれが溜まりやすく垂れやすくなっているんです。
余談ですが、パグやブルドッグなどもこのような顔の形をしているため、やはりよだれが多いんですよ。

これはセントバーナードの顔の構造上、仕方のないことですので、こまめなケアはもちろん、室内外問わず汚れないようにするための対策が必要になります。

なお、よだれを放置してしまうと、よだれには雑菌が多いので口の周りの毛に付着し、臭いの元となったり、口周りの皮膚が常に汚れていることで炎症を起こして痒くなったり、毛が茶色く変色したり、見た目が良くなくなったりなどのデメリットが出てくるので、やはりしっかりとしたケアが必要です。

主なケアの方法としては、こまめに拭き取る、よだれ掛けをする、寝る場所にバスタオルを敷いておくなどがあるんですが、セントバーナードの人懐こい性格から考えれば、スキンシップの意味でも「お口拭こうね/綺麗にしようね」と言いながらこまめに拭いてあげるのが良いでしょう。
そして、できれば拭き終わった後にも「よし、綺麗になったよ。偉かったね」というような言葉をかけながら、頭や身体を撫でてあげて下さい。

犬は人間が思っている以上に人間の態度や言葉を見聞きしていますので、そうすることによってきっと「パパ/ママはいつも僕/私のお口を綺麗にしてくれて、終わったら優しい言葉をかけてくれるから嬉しいなあ。大好き!」という感じで、あなたに対して全幅の信頼を寄せてくれるはずですよ。

飼育のポイント

ここまでご紹介してきたように、全犬種中最大級の体格を誇りながらも人懐こく穏やかな性格で責任感が強く賢いが、抜け毛やよだれが多いという特徴を持つセントバーナードですが、飼育するにあたってのポイントにはどんなものがあるのかというと・・・

  • 大型犬飼育経験者向き
  • 肥満に対する気配りをする
  • ドアや柵は頑丈なものにする
  • 食事は年齢と目的に合わせる
  • こまめにブラッシングする

などが挙げられます。

それぞれ順に解説すると・・・

大型犬飼育経験者向き

繰り返しになりますが、セントバーナードは全犬種中トップクラスの体高・体重を誇っているため、「大きさに関係なく、犬を飼うのが初めて」という方ではなく、やはり大型犬をしっかりと飼育できるだけの体力と、テクニック・知識が十分に備わっている人向けの犬となります。

いくらセントバーナードが温厚で優しい性格であるとは言っても、やはり時として嬉しさや怒りを抑えられず、他の犬や人に勢いよく飛び掛かったりする可能性はもちろんありますからね。

そういった時に、ただ単に「ダメでしょ!やめなさい!」と言ってただ叱るだけでは何の効果もありませんし、それどころかその言葉が犬の感情をさらに煽り、助長してしまうこともあるんです。
セントバーナードの大きさを考えれば、万が一そうなるとどういったことになるか、安易に想像が付きますよね。

ですが、セントバーナードを含め大型犬の飼育経験がある人であれば、その際の対処法をしっかりと熟知していますから、もしもセントバーナードが一時の感情に任せて暴走したとしても、それをしっかりと止めることができるという訳です。

また、その体の大きさから、食費・医療費・老犬介護費なども多くかかるので、それらをクリアできることも飼育ポイントのひとつとなります。

アルプスの少女ハイジなどの影響で、「セントバーナードが好きだし、可愛いから飼ってみたい」という気持ちは判りますが、そういった気持ちだけでは飼うことは非常に難しいです。

このことは犬だけに限ったことではなく、生き物を飼うというのはやはりその命を預かるということですので、そういう意味では上に挙げた条件に当てはまっている方が向いていると言えるでしょう。

肥満に対する気配りをする

セントバーナードはその体の大きさから成長速度が速いうえ、幼少期から非常に食欲旺盛ですので、食べ過ぎが原因で肥満にならないように気を配る必要があります。

何といっても、成犬になってもその勢いのまま食べていると、当然ながら次第に肥満体になってしまいますからね。

こう聞くと、中には「散歩とかの運動量を増やせば良いんじゃないの?」と思う方もいらっしゃるかもしれませんが、実はセントバーナードには少し頑固なところがあり、興味が無いことに関してはとことん無関心なんですよ。

このことから、個体によっては飼い主側がダイエットのために散歩の時間を増やそうと思っても、当の本人(本犬?)がそのことについて関心が無ければ、全くの無駄になってしまうという訳です。

ですが、元来飼い主家族に対して従順ですので、散歩の際にあなたが喜んでいるところを見れば「喜んでくれてるから、辛いけど頑張ろう」という気持ちで、一生懸命に取り組んでくれることでしょう。

なお、運動は散歩と自由な運動を織り交ぜながら、足腰に負担がかからないように、滑らず、あまり硬すぎない地面の上で行い、かつセントバーナードが苦手とする暑い時間帯を避け、無理の無い範囲で実施することが大切です。

よく食べるということは飼い主からすると嬉しいものですが、食べ過ぎが肥満を招き、様々な病気の要因になることを考えれば、やはり人間だけではなくセントバーナードにとっても肥満は大敵ですので、愛犬の健康のためにも十分に気を配ってあげて下さいね。

ドアや柵は頑丈なものにする

繰り返しになりますが、セントバーナードは体高・体重共に全犬種中トップクラスであることから、とにかく力が強いので室内飼いの場合はドアを、外での飼育であればケージの柵を頑丈なものにすることが大切です。

何と言っても、しっぽを一振りしただけでテーブルの上にあるものを全て落としてしまったり、網戸などはひとたび飛びつくと完全に壊してしまうほどですからね。
この圧倒的な力が人間や他の犬に向けられたら、ひとたまりもないことは安易に想像できるのではないでしょうか。

こういったことが起こらないようにするためにも、自宅のドアやケージの柵を頑丈なものにするなどの必要がありますので、セントバーナードを飼育するには広い意味で、かなりの金銭的な余裕が必要と言えるでしょう。

食事は年齢と目的に合わせる

セントバーナードはその体の大きさから(しつこいかな?)、他の大型犬と同じく比較的寿命が短い傾向にあるので、ドッグフードはフードと水のみで栄養のバランスがとれるように作られている総合栄養食を与えるのがベターです。

というのも、一般的なドッグフードは栄養価よりも、犬がどれだけの量を食べるか…つまり、食いつきの部分を重視しているため、主食には向いていないんですよ。
やはりセントバーナードに限らず、自身の愛犬にはできる限り長生きしてほしいものですからね。

こう聞いて、「普通のフードと総合栄養食の違いが判らないよ」という方もいらっしゃるかもしれませんが、総合栄養食の場合、フードのパッケージの裏に総合栄養食と記載されているので、しっかりと確認すればひと目で判断できることでしょう。

また、この総合栄養食においても、幼犬、成犬、シニア(老犬)、大型犬というように年齢や身体の大きさによって分けられているので、こちらもしっかりと確認し、年齢と大きさに応じたものを与えるのが鉄則です。

なお、「この子の体調は自分が一番よく判ってるから、市販のドッグフードよりも、自分が作った方が良いんだ」という愛犬思いで料理上手な方は、ぜひその自慢の腕を振るってあげて下さい。

この方法であれば、与えている物を飼い主さん自身が把握できますし、愛犬からしても「パパ/ママがご飯を作ってくれる」という嬉しさから、安心して食べることができますからね。

愛犬の健康のためにも、年齢や身体の大きさにしっかりと合った物を選ぶようにしましょう。

こまめにブラッシングする

既述したように、セントバーナードの被毛はアンダーコートとオーバーコートからなるダブルコートで構成されており、特に夏場には大量の抜け毛が発生することから、季節を問わずこまめに(できれば毎日)ブラッシングをしてあげることが大切です。

これをきちんと行ってあげることによって、抜け毛だけではなく、よだれなど汚れの除去にもなりますし、特に春先や夏場は、熱の放出を妨げるアンダーコートの抜け毛を極力除去することで、通気性を確保してあげるようにしましょう。

なお、ブラッシングとは少し違いますが、よだれに関しては年中止まることはありませんから、喉から胸にかけてしっかり拭き、あまりにも量が多い場合にはよだれかけを付けてあげて下さいね。

また、セントバーナードの耳は垂れ耳であることから、汚れが溜まりやすいので、定期的にウエットティッシュなどの柔らかい布で拭くことを習慣づけましょう。

そして、これらのケアは、全て愛犬とのスキンシップにも繋がりますから、行う際には「今日もカッコ良く/可愛くなろうね」というような言葉をかけながら、ケアしてあげることをオススメします。

それによって、愛犬から「パパ/ママは僕/私の体を毎日綺麗にしてくれて、嬉しい言葉もかけてくれる」と思ってもらえ、より強い絆を作ることができますので、ぜひ実践して下さい。

まとめ

救助犬としての歴史を持ち、人懐こく穏やかな性格から、家庭犬にぴったりなセントバーナード
家族になれば、その魅力の虜になること間違い無しです!

この他にも、その愛らしさに夢中になってしまうパグの性格や飼い方などをご紹介した記事もあります。

よろしければ、読んでただけると嬉しいです。

reco-kyoumi.hateblo.jp