釣りしのぶをご存知ですか?
蒸し暑い日本の夏を皆さまは、どんな工夫をされて涼感を得られていますか?
少しでも電気代節約を心がけて、また熱中症にも気を付けて夏の暮らしを楽しんでいこうとしておられると思います。
今回は、視覚から涼しさを感じられる「釣りしのぶ」などの紹介をしていきたいと思います。
釣りしのぶとは
釣りしのぶ…シノブグサをわがねて(たわめ曲げて輪にする)涼味を添えるため軒端に吊るすもの
シノブグサ…シノブ科のシダ植物、茎は地上を這い淡褐色の鱗毛を密生 葉は数回羽状に分裂する
<岩波書店 広辞苑第三版より>
冷えた飲み物のグラスにつく水滴が実際の温度より冷たさを感じさせてくれるように視覚の力は大きいです。
ゆらゆらと風にそよぐしのぶ草に目をやれば体感温度もきっと下がるはず。
酷暑といわれる日本の夏を乗り切るためのグッズのひとつとして取り入れてみたいですね。
植物のもたらしてくれるcool powerを試してみてはいかがでしょうか。
釣りしのぶを欲しいと思ったら
入手できるお店 関東では
東京の江戸川区の「萬園」では竹などに水苔を巻き付け芯にしてシノブグサの根茎を巻いて固定させ鑑賞用にしたものを販売しています。
ここの釣りしのぶには形が色々とあり、「屋形船」「筏」「亀」「帆掛け船」「井戸」など人気のある品が作られています。
また、美術大学生と共同して商品開発を行う産学公プロジェクトにも参画して新作を発表しています。
入手できるお店 関西では
宝塚市の「つりしのぶ園」 ここの釣りしのぶの作り方はユーチューブでも紹介されていますが三回ネット(網)を使い、水捌けのいい土を丸くまとめていき側面にシノブグサの根茎を留めます。
あとは土が崩れないように棕櫚(しゅろ)縄を水平に巻いてから放射線状に巻いていきます。てっぺんに小さな洋ランの苗や山野草を植え込んで吊し紐をつけたら出来上がり。
訪ねて行けば数多くの釣りしのぶが揺れる幽玄の別世界。
オンラインショップでも購入できますし、講習会も開催されているようなので自分で作るという醍醐味を味わうこともできます。
由来は
江戸時代、深川辺りで庭木の手入れのため、お屋敷に出入りしていた植木屋さんが涼感を楽しんでもらおうと住人にお中元として贈ったのが始まりと言われています。
吊るすだけじゃない
スタンド型や置き型
和風の庭や縁側が少なくなってきた現代の住環境に合うインテリアとして人気が高まっているのが置き型です。
お皿に載せて部屋に置いて楽しみます。
8,9センチ玉で約3000円というお値段、3年以上鑑賞できるという強健さもうれしいですね。
苔玉の楽しみ方
釣りしのぶは少し敷居が高く値段も張るし、家の造りと合わないからとためらっているなら、試してみて損が無いのが苔玉です。
お手軽、ホームセンターで入手
成型されている苔玉が、ホームセンターの園芸コーナーにあります。
直径約10センチと片手に乗るくらいの大きさです。フィリピン産の山苔からできていて上部にはゴルフボールくらいの穴が開いていて、ここにミニ観葉植物(アジアンタムなど)を植えることができます。
この苔玉に水を吸わせ軽く水を切り白い小皿に載せて飾ったり、土に還る“環境に優しいひも”で苔玉をハンキングしてベランダに吊るし、風鈴もぶら下げたりすると涼感あふれるグリーンを楽しむことができます。
シダ植物と苔玉の相性はとてもいいと思いますが、アイビーと合わせてもかわいらしくなるでしょう。
アイビーは強いので長く楽しめるのも嬉しいですね。