トイレットペーパーのサイズが変わった
News! SDGsの観点からも
「スコッティ」や「クリネックス」のブランドでおなじみの日本製紙のトイレットペーパーが「50メートル×12個」から「75メートル×4個」、「75メートル×8個」または「100メートル×6個」に変わっています。
50メートル製品の廃止(2021.3月末)は、大手メーカーでは初です。
そして、75メートル×4個=600メートルと長さは従来どおりでも、1パックの包装サイズがコンパクトになっています。
これは店舗側からみると売り場のスペースを節約でき、また、消費者やSDGsの観点からは包装や芯材のゴミが減り、輸送時の二酸化炭素の排出量は今までより約40%減らせることになります。
ちなみに、SDGsとはSustainable Development Goalsの略で「持続可能な開発目標」を指し、”2030年までに達成すべき17の目標”のことです。
実際に、変更されたスコッティの「長さ3倍長持ち ダブル4ロール」を使用して思ったことは、コンパクトではありますが、ダブルであったためかミシン目がずれてくるということがありました。
ただ、メーカーもこの点、認識しているようで、包装に対策が書かれていました。
「ミシン目がズレた場合、上側になった1枚だけを一周して剥がせばミシン目が元に戻ります」と。
他メーカーで見つけたものに、丸富製紙の「250メートル×4個」芯なしタイプというものがありました。
そこには、備蓄用にというキャッチコピーも書かれていました。
どうやらトイレットペーパーの世界が変わりはじめているようです。
コロナ禍でニーズ高まる
長いタイプ(長尺)のトイレットペーパーに変えることで交換の頻度が減るため、在宅勤務やオンライン授業などで家にいる時間が長くなり、トイレを使う機会が増えた家庭でのニーズが高まっています。
主流になっていく長尺タイプ
今までも「長尺」や「増巻き」と呼ばれる商品があったものの、業務用であったり、芯棒のいるタイプであったり、価格が高かったりと一長一短ありました。
ですが、トイレットペーパーがコンパクトに変わったことにより、買いやすく、また、収納場所をとらなくなったため、これからの主流になっていくでしょう。
また、オンラインショッピングを利用される方のみならず、車や自転車、あるいは、徒歩で買いに行かれる方も、その購入頻度は今までよりずっと減り、楽に感じられると思います。
ただし、重量が少し増えるため、少し重く感じますが…。
トイレットペーパーを上手に使うには
平均使用量
家庭における一人あたりの1回の使用量は、約80センチ~1メートル(日本トイレ協会調べ)。
また、男女によってもその使用量には大きな差があり、女性の1日あたりの平均使用量は約12.5メートル、男性の場合は約3.5メートルです。
今までの1ロール50メートル物だと、女性は4日で1ロール使っている計算になり、男性よりも3倍近くトイレットペーパーにお金をかけていることになります。
節約術 使い過ぎ対策は
トイレットペーパーの使い過ぎの原因の一つが、「無意識に使用」していることです。
まず、自身のトイレットペーパーの使用量を知り、意識することから始めてみませんか。
また、ダブルよりシングルの方が量を調節しやすいのでシングルを選んだり、使用量を意識したりするようにすればトイレットペーパーの節約につながりますよ。
そして、巻き取りの回数をカウントしてみたり(カラカラ音に快感を感じていませんか?)、巻き取り方を変えてみたりみするのも節約になります。
巻き取り方で大切なことは、トイレットペーパーを下に引かないで横に引っ張ることです。
一般的な家庭用トイレであれば、反対側の壁までトイレットペーパーを引けばだいたい65センチになります。
往復すれば130センチです。
この方法でトイレットペーパーを巻き取り使用すれば、使用量を調節しやすく、節約に繋がります。
ただ、トイレットペーパーを横に引っ張った時、気を付けないとトイレットペーパーがたるんで使用量が増えてしまいます。
注意してくださいね。
ケースを置く
トイレットペーパーを取り過ぎた時、巻き戻すのは誰でも抵抗がありますよね。
かといって、多いのに流してしまうのはもったいないです。
この時、取り過ぎた分だけ100均で売っているケースに入れてためておき、まとまったときに使うようにします。
そうすると、取り過ぎてもったいないなと感じつつ使わなくて済みます。
また、「使い過ぎ」を家族に指摘されているような場合には、使い過ぎないように気を付けてるよというアピールにもなりますよ。
トイレットペーパーのあれこれ
YouTuberヒカキンさん
有名なユーチューバーのヒカキンさんが、トイレットペーパー20年分…1000ロールを購入して話題になったのが2016年夏のことでした。
リサイクルペーパーの安価なものとおっしゃっていましたので、シングル60メートルとして考えると1日の使用量を約8.3メートルとして計算されたようです。
オイルショックのとき
1973年(昭和48年)、中東地域で勃発した紛争を契機に、原油価格の上昇が起こりました。
当時の通産大臣が「紙の節約」を呼びかけたことから紙が無くなるかもという不安が広がり、人々がトイレットペーパーをこぞって買い占める様子が報道されたことをきっかけに、トイレットペーパーが全国の店頭から消えるという騒動になりました。
2020年コロナ禍での品薄
「マスクとトイレットペーパーは原材料が同じだから、マスクの増産に伴って次は紙製品が品薄になる」というようなことがSNSに書き込まれたことから、デマが広がったと言われています。
さらに、商品棚が空になっている映像はインパクトが強く、パニックが増長されました。
コロナ感染の危機意識以上に生活を守ろうとする意識が働いていたこともあり、トイレットペーパーがなかなか買えないという状況に陥りました。
この時、トイレットペーパーの国産率はほぼ100%で、需要に対して供給のバランスはとれていることをしっかりと理解し、冷静に行動できれば良かったですね。
トイレットペーパーの略称
トイレットペーパーの略称は無いんですね。
「トレぺ」は、「トレーシングペーパー(透かして複写するための半透明の用紙)」の略。
「トイペ」は一応略称なのですが、ほとんど普及していません。
「トイレ紙」が一番わかりやすく、新聞社のデジタル見出しでも使われていました。
トイレットペーパーの表と裏
トイレットペーパーの「表」は、外側に見えている面です。
トイレットペーパーの「表」はなめらかな仕上がりになっていて、逆に「裏」は少しザラッとした肌触りとなっています。
ただ、これはシングルの話で、ダブルの場合は裏同士を貼り合わせているので両側が「表」となるようになっています。
芯なしトイレットペーパー
芯なしトイレットペーパーは、「お得感がある」「エコに貢献している」という意見がある一方、「最後までキレイに使えない」という意見もあり、賛否両論です。
芯なしトイレットペーパーにもタイプがあって、①細い芯棒を装着するコアレスタイプと、➁穴は開いているが最後まで使用できる紙タイプのものがあります。
①の芯棒を装着するタイプ(上図)でも、使用するためにホルダーを換える必要はありません。
ワンタッチホルダーの場合、バネの部分を折りたたんでセロテープなどで固定します。
このとき、下の隙間はふさがないで。その隙間部分に芯棒を差し込みトイレットペーパーを入れます。
間違って芯棒の必要なトイレットペーパーを買ってしまっても、上記の方法やポリ紐を通して上フタ部分に輪になるように引っかけて使うこともできますので大丈夫ですよ。
➁の芯穴は開いているが最後まで紙というタイプのものは、メーカーによりキレイに使い切れるものや最後の10巻きほどがガチガチに接着されていて残ってしまうものまで、千差万別あるようです。
色々試すのはもったいないので、おすすめされている商品を選んでみるというのも1つの手ですね。
世界のトイレットペーパー事情
トイレットペーパーが使える
紙(トイレットペーパー)を使ってトイレに流せるのは、欧米や日本、シンガポール、オーストラリアくらいです。
中国や韓国、台湾などでは流さず設置されているゴミ箱に捨てます。
トイレにゴミ箱が置いてあったら、「流すな」のサインです。
日本人はうっかり流してしまいそうですが、詰まらせては大変なので、「郷に入っては郷に従え」です。
その国のルールを守りましょうね。