強靭な肉体をぶつけ合い、熱い試合を見せるプロレスラーですが、その際あえて技を受ける理由は何なのでしょうか。
また、ルールも気になりますね。
そのため今回は、「プロレスラーがあえて相手の技を受ける理由は何?簡単なルール解説も!」をご紹介します!
プロレスラーが相手の技を受ける理由って?
プロレスラーが相手の技を受けるのは、第一に自分の強さ、ひいては、身体の頑丈さを対戦相手や観ているお客さんに見せるためというのがあります。事実、テレビや試合会場でプロレスを見ていると「あれ?今の技は絶対、避けれたはずなのに、何で食らったの?」と疑問に思うことがありますよね。
ですが、プロレスラーの側からすればあえて相手の技を受けることにより、見ているお客さんや相手選手に対し「こんな技、俺には効かないぞ!」ということをアピールしているんですよ。
確かに、いかにも頑丈そうな身体をしているプロレスラーが相手選手の攻撃をことあるごとに避けてばかりだと、「あれだけ凄い身体をしてるのにさっきから相手の攻撃を避けてばかりだな」と思ってしまいますよね。
また、そのほかの理由をご紹介すると・・・
- 真剣勝負では無いから
- お客さんを盛り上げるため
などがあります。
順に解説すると・・・
真剣勝負では無いから
そもそもプロレスというのは真剣勝負ではなく「戦いのエンターテイメント」です。
こう書くと、今プロレスに対して少しずつ興味を持ちつつある人から、「えっ、何?真剣勝負じゃないの?じゃあつまんないな。もう見るのをやめよう」という声が。
また、プロレスは八百長だと信じて疑わない人からは、「やっぱり。あんなの八百長に決まってるじゃないか。真剣に見る奴の気が知れないよ。」という声が聞こえてきそうです・・・。
ですが、待ってください。
そう決めつけてしまうのは、あまりにももったいないことなんです!
なぜなら、プロレスラーは毎試合ごとに自らの身を削り、命がけで戦っている」からです。
だからこそ、時には予期せぬケガをして長期欠場に追い込まれたり、投げ技で受け身を取り損ねてしまった・相手の攻撃が危ない箇所に当たってしまったなどの理由から、不運にも命を落としてしまうという選手もいるんです。
そう考えれば、真剣勝負では無いものの、決して遊び半分でできるような生易しい世界ではないということがよくわかりますね。
我々一般人には到底真似できない、言うなれば非日常的な世界で生きているのがプロレスラーという訳です。
お客さんを盛り上げるため
冒頭で書いたことにも繋がりますが、お客さんを盛り上げるためにあえて相手の技を受けるという場合もあります。
そうすることで、お客さんに「うわっ、あの選手あんな強烈な技を受けたのに平然としてるじゃないか!凄いなあ!」、もしくは、「あの選手にそんな技をやっても効かないだろう…ほらやっぱり!」という気持ちになってもらうことができますからね。
また、例えばの話、身体があまり丈夫ではない少年がそういったプロレスラーの試合を見て「もしかして僕も頑張って身体を鍛えたら、〇〇選手みたいに強くなれるんじゃないか」という希望を持ってくれるきっかけにもなりますしね。
つまり、プロレスラーは相手の技をあえて受けることによって、自身の肉体的・精神的強さをアピールしているのと同時に、自らの生き様を見せているといっても過言ではないんです。
そして、命賭けで試合をしているからこそ、それを見ているファンのみなさんも盛り上がり、ファン自身の夢や希望になるという訳です。
プロレスのルールってどんなの?
では次に、そんなプロレスのルールについて簡潔に説明していきます。プロレスの主なルールはというと・・・
- 3カウントフォール・ギブアップで勝敗が決まる
- 椅子や机など、凶器を使うのは反則
- 反則は5秒以内ならOK
- 20カウントでリングアウト
- 相手の手足がロープに触れたら、技を解く
などがあります。
順に解説すると・・・
フォール・ギブアップで勝敗が決まる
プロレスは基本的に、対戦相手に上から覆いかぶさって相手の肩を3秒間マットに付ける「フォール」か、関節技をかけられ耐えられなくなってするギブアップで勝敗が決まります。
そして、ギブアップには2種類あり、1つは関節技をかけられている選手がマットを3回叩く、もう1つはレフェリーの「ギブアップ?」の問いかけに「YES」と応えることです。
ちなみに、フォールされている選手が負けを回避するには、レフェリーが3秒をカウントするため手でマットを(3回目を)叩く前に肩を上げるか、ロープに触れる必要があります。
ですので、プロレスラーは相手からいかにこの3カウントやギブアップを奪うかに全てを賭けているんです。
大抵は、肩を上げられずに勝負が決することが大半で、それも派手な技の応酬の末にそうなることが多いので、3カウントの奪い合いは、お客さんが最もヒートする瞬間と言えるでしょう。
椅子や机など、凶器を使うのは反則
本来、プロレスというのは自身の鍛え上げた肉体のみを武器に戦うスポーツですので、椅子や机といった凶器を使っての相手への攻撃は反則となります。
ただし、これには例外があり、デスマッチと呼ばれる有刺鉄線や電流爆破といった危険な試合形式をウリにしている団体においては、これらの攻撃が反則にはならないんですよ。
そのほかの主な反則としては、ボクシングのように相手を拳で殴る(エルボーと呼ばれる肘打ちや手首でならOK)、急所(股間)への攻撃、チョークスリーパー(腕や脚で首を絞め、気道を圧迫する絞め技)などがあります。
とは言っても、これらの攻撃をレフェリーの目を盗んでバレないように行うプロレスラーも当然いるので、そういう意味では表向きには反則ですが、その団体や所属選手のカラーにより容認・黙認されているというのが実情です。
反則は5秒以内ならOK
上でご紹介した椅子や机を使った攻撃はこれには該当しませんが、チョークスリーパーなどの首締め攻撃や噛み付き攻撃などは、5秒以内にやめれば反則にはなりません。
ですので、頭が良いレスラーの多くは試合の要所要所でこういったことを行い、確実に相手のスタミナを奪っていくんですよ
つまり、「反則技も技術のうち」という訳です。
ただ、あまりにも反則の度が過ぎていたり、レフェリーの注意を無視し続けた場合は反則負けになることもあるので、結局のところ反則の度合いとレフェリーのさじ加減にゆだねられていると言えるでしょう。
20カウントでリングアウト
試合中にリングの外に出た場合は、レフェリーが20カウントを数え終わるまでにリングに戻らない(ダメージが深過ぎるなどの理由で戻れない場合も含む)と、場外にいる選手はリングアウト負けとなります。
現代のプロレスにおいてこのリングアウトで勝敗が決まるのは非常にレアなんです。
ですが、反則技をよく使うレスラーなどであれば、相手選手と20カウント寸前まで場外で攻防を繰り広げ、ギリギリでリングに戻るといった戦法を使う場合もあります。
もちろん、そうやって勝利をもぎ取った選手は大抵、お客さんから大きなブーイングを浴びるんですよ。
つまり、「汚い手を使いやがって!」ってね。
ですので、あなたももしお目当てのレスラーがそういった理由でリングアウト負けになったなら、相手選手に対して「ふざけるな!」という気持ちを込めて思いきりブーイングをするようにしましょう。
相手の手足がロープに触れたら、技を解く
フォールをしたり関節技をかけている時、その相手の手、あるいは、足がロープに触れたらすぐにそれを解かなくてはならず、これをロープブレイクと言います。
プロレスを1度でもテレビ中継・会場問わず観戦経験がある方は、よく関節技をかけられた選手が鬼の形相でロープに手を伸ばしている、という光景を見たことがあるのではないでしょうか。
そもそも完璧に決まった関節技というのはそう簡単には外れませんし、やはり普段から身体を鍛えているとはいえレスラーも人間ですから、痛みもあります。
ですが、負けたくないという気持ちから痛みに耐え、必死でロープに触れようとしているという訳です。
もちろん関節技をかける側の選手も、安易に逃げられないようになるべくロープから遠いところで関節技をかけるんですが、それでも必死になって逃れようとしている選手の姿勢は、胸にグッとくるものがあります。
ですので、もしあなたの応援しているレスラーがロープブレイクするべく、必死になって手を伸ばしていたら「〇〇(選手の名前)、頑張れ!もうちょっとだぞ!」というように声援を送って応援して下さいね。